大樹の今 僅かな進歩

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目が覚めた。規則正しい生活のせいか大体同じような時間に自然と目が覚める。僕は日課となったコーラを買いに自販機迄歩いて向かう。スタスタと意識的に歩いた。もうふらつきは無い。スタスタ歩けるぞ。自販機の前でコーラを買う前にラジオ体操を始めた。体全体を大きく使って真剣にやるんだ。僕は指先まで力を込めてラジオ体操を続けた。大きく肩を回し、大きくひねり、大きくジャンプした。前屈も一生懸命曲げた。大きく反る事も行った。最後の深呼吸迄気を抜かずにやると結構疲れた。此処でコーラを買い、一口飲み、ランジとスクワットに入る。今日からは2セットだ。ランジは思い切り沈み込み、ゆっくりと元に戻す。反対の足でまた一歩前に出して沈み込み、ゆっくりと元に戻す。1セット終わったら、コーラを一口飲みもう1セット繰り返した。ふう。次はスクワットだ。スリッパではやり辛いが仕方ない。9回目と10回目がキツイが踏ん張った。コーラをまた一口飲んでもう1セット。7回目から辛かったが頑張って最後までやり遂げた。うっすらと汗をかいたが、これを繰り返して体力の回復を早めるのだ。ただ寝ていても元には戻らない。毎食後にやるぞと心に決めた。

ベッドに戻り、朝食が来るまでは五十音表を声に出して読んだ。此れも昨日より早口でやってみた。やはり、カ行とガ行でつまずくが後は概ね出来たみたいなので、僕はおはようの練習をしてみた。おぁよう、おぁよう、おぁよう。うん、完全じゃないけど出来るようになった。今日の診察でも行って観よう。

そうしているうちに朝ご飯が来た。僕は振りかけを掛けて完食した。お茶を飲んでまた五十音表を早口で大きな声で読み上げた。さっきよりカ行もガ行も旨く言えた気がするが、まだ完全じゃないな。もっと練習しよう。看護婦さんが検温に来た。「おはよう、川口さん」と行ってきたので僕はさっき言えた「おぁよう」と答えた。看護婦さんはびっくりしたようで「まぁ川口さん、おはようが言えるようになったのね?」と言ってきたので僕は「はい」と答えた。当たり前のことが少しずつ言える様になる。良いぞ、僕。もっと話せるように練習するんだ。練習すれば、必ず出来る様になる筈だ。後で診察の時に先生に挨拶したいので先生も練習してみた。しぇんぁしぇい、しぇんしぇい、しぇんしぇい。うーん。イマイチだが言えないよりマシだ。五十音表を改めてサ行を読み直す。さ、し、しゅ、しぇ、しょ。午後のリハビリの先生にこの事を言おう。し迄はちゃんと言える。「おぁよう、しぇんしぇい。」良し今日はこれで行こう。

午前の診察で呼ばれた。「川口さん診察に行きましょうね。」僕は積極的に「はい」と答えた。診察質の待合席で呼ばれた。かわぐちさんどうぞ。僕は診察室に入って行って挨拶した。「しぇんしぇい、おぁよう。」先生は「お。随分頑張ったね。その調子で短い文を練習して行こうよ。」と言ってくれた。「はいこれ」と言って昨日渡したスマホを充電して渡してくれた。「充電が無くなったらまた持ってくればいいからね。」先生優しいなぁ。ありがとうは未だ練習してなかったので僕は大きな声で「はい」と元気に返事をした。僕は持っていたノートにありがとうの練習をすると書いた。先生は「ネットで事故の事も見ると思うけど、結構厳しい記事にもなっているからね。勿論トラックが悪い事になっているんだけど、被害者が重体で病院に運ばれたとか、嫌な思い出が出て来る事もあるだろうけど、それも事実だからね。スマホを観るって事はそういう事も覚悟して見ないといけないよ。」と優しく説明してくれたので僕は「はい、しぇんしぇい」と答えた。午前の診察はこれで終わった。

診察から戻るとスマホの電源を入れて、メールから見て見た。いっぱい来てたけど大した用件のモノは無かった。ラインを見て見ると友達の数人から心配のラインが来ていたが勿論返信も出来なかったので返信した。警察に証拠品として提出していたので今手元に戻って来て、現在も入院中な事と話がうまく出来ないので暫らくは入院する事等を書いて送った。

グーグルで事故の記事について調べてみた。○月〇日高速道路交通事故で検索したらいっぱい出て来た。新聞社の記事だけを観る事にした。被害者の川口さん一家は重体で病院に搬送された。とか多くの新聞に書いてあった。僕も重体になっている。事故を起こしたトラックの運転手は過剰勤務での居眠り運転で即死。当たり前だ。家族を3人も殺したんだからな。

あれ?吉田さんは裁判があるって言ってたけど、犯人死んでるんだよな。そうか、犯人の会社に対しての裁判って事か。それで弁護士が居るのか。日付けの新しい記事にも目を通すと、川口さん一家3人死亡と書いてある。僕の事はほとんど書いて無いや。そういえばマスコミも此処には来ていないし。きっと吉田さん達、県警の人が来れないようにしてくれているんだろうなぁ。

あれ?保険会社の人は何で此処に来れたんだろう?きっとあのお金お金いうおばさんが保険会社に連絡してそれで担当者が神奈川県警に問い合わせてそれで吉田さんと来たのか。

吉田さんが東京の弁護士さんを探してくれるって言っていたから、後の事はその弁護士さんと相談しながらやって行けばいいや。先ずはちゃんと話せるかそれに近い状態まで回復する事が先決だな。よし、充電がもったいないからこれで切ろう。僕は事故の事はちょこっとしか読まないで済ませた。直ぐに昼ご飯が来た。僕は振りかけを出して、残さずに完食した。食後はラジオ体操をしてランジとスクワットを2セット自販機の前まで行ってやり、戻ると五十音表を声に出して早口で読んだ。午前の検診の時に書いた有難うも言ってみた。ありがつぅー。違うありぐぁとー、ありぐぁとー、ありぐぁとー。まぁ、いいや。言っている内に上手く言える様になるだろう。これでおはよーしぇんしぇい、はい、ありぐぁとー、が言える様になった。

午後のリハビリに呼ばれたので僕は「はい」と返事をして行った。行ったその場で「おぁよう、しぇんしぇい」と言ってみたら、「お、進んでるね。」と担当先生に言われた。僕はまだカ行ガ行さ、し、の後のすからうまく言えないとノートに書いて見せた。す、せ、そははっきりと言い切ることで言える様になるよと教えて貰った。苦手なのはみんなはっきりと言う言葉なので繰り返しはっきりと言う練習をして行けば段々良くなって来ると言ってくれた。僕は「ありぐぁとーしぇんしぇい」とお礼を言ったら先生は嬉しそうだった。「そうそう、その調子だよ。少しずつ言葉を増やして行けば、その内グッと良くなって来るよ」と言ってくれた。後はトレーニングして今日は終了だからね。「はい、しぇんしぇい」僕は答えた。そして隣の部屋でトレーナーさんに「しぇんしぇい、おぁよう」と言ったら先生は驚いていた。「おお、良いじゃないの。その調子で行こうよ」と言われたので僕は「はい、しぇんしぇい」と答えた。僕は先生に今日からランジとスクワットは2セットやっていると書いて見せた。先生は「ほぉ~積極的で良いね。よし、今日もラジオ体操を体いっぱい大きく使ってやろう。その後ランジとスクワットを2セットで終了。来週からはスクワットを3セットにして、それが出来る様になったらランニングマシーンで早歩きをやろうよ。」と言われて僕は嬉しくなり、「はい、しぇんしぇい」と答えてラジオ体操を体いっぱいを大きく使ってやり始めた。今日も僅かながら僕は進歩した。

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